
忌明け法要という四十九日が無事終了した事を報告を兼ねたお礼を香典返しと言います。日本伝統のもので当然の様に行われている香典返しですが、実は香典は霊前にお供えする物なのでお返しは必要ないと言う考え方でした。香典は家族を失った方を励ます意味も込められており、現代の日本人の考え方である恩を返す考えと融合して香典返しが定着しています。本来は手渡しがマナーでしたが核家族化や全国に広く親族や知人が離れている昨今では、挨拶状を添えて郵送する事が一般的になっています。期間としては四十九日が明けてから一ヶ月以内が妥当と言われているので、それほど急いで用意する必要はありません。
香典返しの金額の目安は日本伝統の考え方からほぼ決まっています。日本には半返しと言う伝統の考え方があり、香典で受け取った額の半額を贈るのが一般的です。地域によって考え方は異なるのですが、基本的には半返しが一般的で、異なる部分としてはお金ではなく頂いた香典半額程の品を香典返しに贈るものです。中には生前にお世話になったと高額な香典を受け取る場合もありますが、その際はお返しの品と商品券を添える贈り方が礼儀としてあります。香典返しを当日にする事も昨今では増えてきていますが、用意していた二千円から三千円程の品では釣り合わない額の香典の方には、後日差額相当の返礼品を四十九日明け後に贈る事が礼儀とされています。
香典返しの品はどれでもよくはありません。不幸が繰り返し起きない様にという願いを込めて、残るものは贈らない事が一般的です。縁起を担いで消えてなくなる物として砂糖やお茶といった食べ物を選択している方が多いですが、消える物なので食品に限るわけではありません。石鹸や洗剤等は日常生活で頻繁に使用する物なので実用的です。この様に品で香典返しを用意する場合は、消える品を選択していきます。現在では以前にはなかったカタログギフトも有効とされており、失礼にあたりません。相手にお礼と報告をする事が香典返しの根本なので、自由に活用して頂くという気持ちでカタログギフトも選ばれています。用意する側としても、品を検討する必要はなく、価格帯別に種類分けもされているので手間も省けます。香典を贈る側にマナーがある様に、お返しを贈る側にもマナーが存在しています。香典は遺族を励ます意味が込められているので、正しい方法と気持ちでお返しする事が大切です。